だだっ広い広間の奥には、ダークドレアムが此方を蔑んだ目で見詰めていた。
現時点では、どう考えても此方が有利だろうが…ダードレの態度から見ると何かしら有るのであろう、と判断出来る。
それは4人個々全員が思った。
「ひろ、死ぬのは怖いかね?」
蝉が軽く額の汗をぬぐりつつ、聞いた。
「あん?何云ってんの?蝉?俺がこえーモノねーって位、把握して無かったのか?」
相当強めな口調で、ひろが云った。
「『はあく』なんて言葉、良く覚えたな」
ダードレから眼を離さず、煙草に火を着け、蝉はニヤリと云った。
「…来るわ!!」
りゅう子が、普段の圧し殺した冷静さとは違う口調で叫んだ。
焦りからか、普段の高島兄的な爽やかさは無い。
白煙と共に、ドレアムの両脇に何かが降り立った。
「…オルゴ…。2体…!!」りゅう子は、一気に血の気が引いた。
「あはん?」
云って、さきが背中から剣を抜き、的に向かって駆け出した。
初手で流れを変える。
過去に、さきとつるんで金稼ぎしていた蝉は、方向性を理解していた。
蝉 (2012/06/27 Wed 11:49:29) ID:xNGRiOWQ3OTY DoCoMo