「あん?おめーは誰だ?このエンスラに何をした!?」
焼け付いたエンスラを庇い、腰からナイフを取り出して身構えるひろ。
(…まだ此のエンスラ、助かるかも知れねー!!あいつら早く登って来いよなー!!
…あ!!さっき下で待ってろって言っちまったな!!ちょっと間違えた!!)
まぁ、いつも通り。通常運転のひろだ。蝉はそれも把握している。
憎悪のオーラを醸し出すその魔物は完全にひろの存在を無視して、洞窟へ引き返して行った。
「おい!!こら!!おめー!!ちょっと待ちやがれ!!」
ひろは怒号を飛ばしたが、そのまま『そいつ』は奥へと消えた。
いつもなら完全に自分を見失い、追い掛けて殺す所だが
エンスラが心配でそれをしなかった。
むしろエンスラを抱き抱えて皆の所に連れて行こう、誰か彼か回復、若しくは蘇生してくれるだろう。
蝉 (2012/06/16 Sat 18:00:05) ID:1YmU3MThmNjU DoCoMo