>>162
「けっ、おめーら、こんな蝉さんなんかに貴重なMP遣うんじゃねーよ」
辛口を叩いたものの脂汗をかき、軽い目眩と闘いながら蝉が云った。
「…しかしながら、有り難う。」
ひろと組む迄はずっと独りぼっちだった蝉は、パーティの有難さを今になって痛感した。
『仲間』そんな存在。
蝉はこれ迄、蝉なりの人生を歩んでは来たが
いつも仲間や友達等は身近には存在しなかった。
【ベホリク】を受けた蝉は初めて仲間の存在意義を痛感し、そして改めて
ひろ以外の人間を仲間と認識した。
(「…コイツらの為になら犠牲になれるな…。」)
改めて今回の冒険に対する決意を固めた蝉。
「…さて、行きましょうか?」倒れて全身が埃まみれの蝉が、眼鏡を正し、身体をはたきつつ云った。
そして、蝉の精神が変わった。今回の戦闘でレベルアップした、ってヤツだろうか…。
蝉 (2012/06/19 Tue 19:30:24) ID:4ZjYyNGFkNWJ DoCoMo