「…さて、残るはオクト、レイギガ、わかめな訳だが…」
蝉が云い終わる前にレイギガースが、蝉に突撃して来る。
「おっとぉ…」
しかし上半身を反り返し、軽く避ける。
「コイツ遅いよな？蝉!!コイツ弱えーよな？蝉!!」
にやけつつ楽しそうに、ひろは腰からナイフを抜いた。
「俺等はモンス使わなきゃ闘えない訳じゃねーぜ!!」
ひろは蝉に攻撃を避けられて、体勢を崩したレイギガースにナイフを一突きした。
クリティカルヒット。言うなれば会心の一撃だ。
ひろは隠れん坊ばりの素質を持っている。だからこそ、隠れん坊を好んで居るのだろう。
「…蝉なんかと『兄弟』って云われるのは、腹立つけどなー!!」
レイギガースを消滅させたひろが、不愉快そうな顔をして云った。
「煩い、もっと闘え」
蝉がくわえ煙草で云った。
「うるせー!!蝉も闘え!!蝉を超ー刺すぞ!!」
ひろは割と本気で『マジ切れ』した。
「まっ、俺等の仕事は此処迄みたいだぜ。見てみろ。」
蝉は顎でりゅう子とまいを指した。
ひろは、りゅう子とまいが呪文を唱えている姿、
そして、その隣でさきが背中から見た事も無い用な素晴らしい剣を抜き取ったのを確認した。
「ああ、残念ながら蝉さんは出る幕無しだな。」
蟷螂の様な眼で蝉は煙草をペッ、と地面へ吐き飛ばした。
蝉 (2012/06/15 Fri 17:17:55) ID:jNWNiNGI2NWM DoCoMo